オステオパシーとは
オステオパシーはアメリカで生まれた手技療法
オステオパシー(Osteopathy)は、19世紀末にアメリカ・ミズーリ州のカークスビル在住の医師アンドリュー・テイラー・スティル (Andrew Taylor Still)によって創始されました。
オステオパシーという言葉はギリシャ語の骨を意味する「オステオン」と、施術や疾患を意味する「パソス」を合わせた造語です。140年以上の歴史があり、欧米では教育、実践ともに実績ある学問です。そのテクニックはヨーロッパで発展しました。
オステオパシーは、
- 身体は一つのユニットである
- 身体の構造と機能は相互に関係して機能する
- 身体は自己治癒、自己調節する能力を持っている
- オステオパシーの合理的な治療は「身体の調和」「自己治癒」「構造と機能の相互関係」に基づいて行われる
など、独特の医学体系を持ち、骨格などの運動器系、動脈・静脈やリンパなどの循環器系、脳脊髄液の循環を含む脳神経系など、解剖学的あるいは生理学的な広範囲の医学知識の元に、手を使って治療を加えます。
オステオパシーはテクニックのみでなく、スティル医師が考えたオステオパシー哲学・医科学・技術のすべてを指す言葉です。
オステオパシーの創始者
アンドリュー・テーラー・スティル
(Andrew Taylor Still, 1828年8月6日 - 1917年12月12日)
オステオパシーの特徴
効果が高く、持続性があるオステオパシー
オステオパシーは原因に対してアプローチするので、効果が高く、持続性があるのが特徴です。
オステオパシーは骨盤と脊柱はもとより、全身の骨格関節および筋肉、靭帯、腱の歪みを施術対象にし、全身の血液循環を改善させ、骨格の歪みで起こる内臓の転位を調整して内臓の位置を改善させる事で身体の健康をよりよい方向へ持って行きます。
痛みを感じる部分が必ずしも原因ではない?
今までは困難とされていた副交感神経等の調整も、オステオパシー特有の頭蓋骨調整で可能になります。オステオパス(オステオパシーの実践者)は、痛みを感じるからといって、必ずしもその部分に原因があるという考え方はしません。オステオパシーは身体全体を観察し、不具合を生じさせる真の原因を見つけ、そこが正常からどの様に機能を損なってしまうのかを判断し、施術して正常な状態への変化を待ちます。
治すだけではない、痛みが起きにくい身体を目指す
オステオパシーは、人体は自らを調整し自己治癒させ維持する作用がある事を尊重します。痛みだけでなく、痛みが起きにくい身体、病気になりにくい状態を目指す予防も目的てす。
そのため、一人ひとりに合わせた施術を行い、その問題と関連する日常生活の改善のための指導を行います。
施術方法
痛みの原因を調べ、緊張の強い部分から施術
まず最初に、全身のひずみや緊張具合を調べます。次は体幹のねじれを引き起こす原因を探すための検査をします。そこで一番強い緊張部分からアプローチしていきます。解除後に、身体に何が残ってるかを診て、残る原因を施術していきます。必要に応じてさまざまな技法を用いて、あなたの身体を回復へとナビゲートします。
赤ちゃんから高齢者まで、痛みの無いオステオパシー施術
オステオパシーは身体にやさしい刺激しか与えないため、赤ちゃんから高齢者の方まで痛み無く安全に施術を受けることができます。
「やさしい刺激が効果的なの? 」と、疑問に思われるかもしれませんが、押す・もむ などの強い刺激は、弱った表面の患部には刺激が強すぎる場合があり、逆に細胞を傷めてしまって、悪化を招く場合が多いのです。
適切な刺激で歪みを正し、痛みを改善する
一方、細胞が安全だと感じる一定の安定した適切な刺激を送ると、細胞は自らの緊張を解いていきます。たとえるなら、やさしく子供をなでるのとおなじです。無理に強くさわると、子供は嫌がります。子供は知っているのです、強すぎは良くないってことを。猫や犬もそうですね、やさしく、でも適切な刺激で気持ちよさそうに~♪
その結果、歪みは正され、痛みが改善し、ストレスも解放されていくのです。そうすることで身体自らが整えられはじめ、つらい痛みの原因は解消され、元の健康な状態へと回復する、という法則です。
一人ひとり丁寧に、原因と解決方法を見つける
身体にやさしい刺激しか与えないため、オステオパシーなら原因を探し出し、解決のための色々な手段があります。当院は、一人に丁寧に調べることでお悩みの問題を引き起こしている原因とその解決方法を見つけるために、最大限の努力を致します。
当院のテクニック
私の根幹を成す技法は、解剖学・生理学を基礎とするオステオパシーです。
当院で使うテクニックを紹介します。
- 軟部組織テクニック
- 筋肉、筋膜組織に用いる心地良い技法です。深部圧力、ストレッチ、その他を用いて血液と リンパ液の還流を高め、筋の圧痛、過緊張を鎮静へと導きます。
- 関節両方LVMA(低速中振幅)
- スプリンギングテクニックとも呼ばれるソフトな直接法。関節機能の改善に用います。制限された関節の動きを回復させる技法です。
- 筋エネルギーテクニック(MET)
- 可動に制限のある関節を正しく動く様な特定の姿勢で抵抗運動することにより、筋肉と関節 と神経の働きをを改善するソフトなテクニックです。
- カウンターストレイン
- 痛みが軽くなる安楽体位を取る事により、痛みが自発的に軽減します。約90秒間じっとする事によって、身体の誤った異常な神経信号や緊張をリセットして、自発的に正常な神経筋肉の働きをもたらします。
- Stillテクニック
- 可動制限のある関節と筋、腱組織等に対し、弛緩する姿勢を誇張してから、その可動制限を超える動きを与えることにより、その制限と緊張を改善するテクニックです。
- 筋膜リリーステクニック(直接法・誇張法)
- 靭帯の痛み・可動痛の続く関節(例えばつき指・足首捻挫後の痛み)を3次元的に最も緩む位置へ誘導して、緊張の解放を促すテクニックで無痛です。
- 頭蓋仙骨系クラニアルテクニック
- 脳・髄液の流れを活性化し、慢性の頭痛等・硬膜の制限に有効。顔の骨格の歪みを整え10段階に分けて可動とリズムを整えていきます。
- リンパテクニック
- リンパは全ての体液を統合する重要な機能をもちます。静脈、リンパ管による体液排出を増大させ、老廃物を減少、浮腫みを軽くします。
- 小児科オステオパシー
- 乳児、小児に対するオステオパシー技法。出産時の頭蓋の変形、脳への圧力の減圧など筋骨格・内臓等を含む諸問題を起こす要因に対して働き掛けます。
- 婦人科オステオパシー
- 婦人科特有の問題に対するオステオパシー技法。筋骨格・内臓等を含む生理学的適応の全般に焦点を合わせます。
- 内臓マニピュレーション
- 内臓の緊張・腹部の張りや痛みに働きかけて症状を緩和するテクニック。内臓の機能的な動き、内臓固有の動きに焦点をあてた技法です。
- メカニカルリンク
- 骨内力線、関節離開、頭蓋、循環系、神経系などへ介入してブロックを開放するフランスで進化したオステオパシーのひとつの発展系。瞬時に体が変化するのを感じることができます。
- GOTジェネラル.オステオパシック.トリートメント
- リトル・ジョンによりヨーロッパに伝えられたオステオパシー。全身の自然なリズムにのっとって、関節、軟組織に働きかけて全身の統合的なトリートメントを行う、非常に緩やかなテクニック。
- フルフォードテクニック
- 代表的なパーカッションハンマーや磁石を用いて液体の流れが滞ってる部位へ働き掛けて生命の波の流れを邪魔するブロックや塊を解消していく事で、生命の波の流れは正常へと進みます。
- バイオダイナミクスオステオパシー
- 創始者のA.T.スティルは「患者の中のHEALTH(健康・健全)を見つけなさい」と言われた。術者は自らをニュートラルに保ち、静寂を見つけてより深淵へと入り、健全を見つけ拡大して本来の健康を開かせる手助けをします。
上記以外にもいろいろな技術が混ざったオリジナル技法もあります。患者さまに負担を与えたり、症状に適合しない場合を考えてのことです。筋膜を緩めた上で、ひずんだ背骨を整えることが必要ということがわかってきました。解剖学をもとに、私の指先の感覚だけを頼りに、施術をするのです。
「…どうすれば効率よく原因にアプローチできるのか」、「…快適に施術を受けていただくには何をすべきか」、「…その場で痛みを取り、早く結果につなげるには、どこを施術すると効果的か」など、一心不乱にそのことばかりを考えて、開業以来、試行錯誤しながら施術にあたってきました。今の自分の技術に満足するのではなく、「いかにひとりひとりの症状に合った施術ができるのか」に尽きるわけです。
病院では難しい症状、こんな症状でもできるの? という方、いつでもご相談ください。
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